Machitabi Voices 02

神戸女学院大学大学院
人間科学部研究科2年
ツアー・マイスター
松川泰子さん

素晴らしいキャンパスで学べる誇りを伝えたい 

 2014年、神戸女学院岡田山キャンパス12棟の建物が国の重要文化財に指定されました。同大大学院2回生の松川泰子さんは、一般見学者にキャンパス内を案内するツアー・マイスターとして、まちたびでも活躍しています。
米建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1875~1964)が、妻・一柳満喜子の母校である同校の移転に伴い設計を担当。旧尼崎藩主・桜井家別邸跡に1933年に完成しました。

「愛神愛隣」を感じ取れる建物

「80年前に建てられたとは思えないほど機能性に優れ、人に優しい設計、景観重視の建物は知れば知るほど奥が深い。わが校の精神である『愛心愛隣』が詰まっています」と語ります。音楽館は一段低い場所に造り、自然の防音壁で音が漏れにくい構造になっています。また、建物内の階段を学生が上りやすい高さに設定したり、掃除がしやすく埃がたまりにくいよう廊下をR状にするなど細かい配慮がなされています。
「中庭は桜井家の日本庭園を活かし、当時の松の木もそのまま残しています。電線、ガスその他は地中に埋めるなど当時としては先進的な発想で、景観も重視した設計になっています」。

自治会長とツアー・マイスター

松川さんは2回生で自治会長を務めます。学生の要求実現に奔走する中で、古さゆえの不便さを感じていました。「寒くて暗いトイレを何とか出来ないか」。そんな声も上がり、「校舎の不便を改修する」立場でしたが、ツアー・マイスターになったことで「こんなに素晴らしい建物で学べているんだ、と考えが180度変わりました。どれだけ貴重なものかということがわかり、壊すのではなく残していかなければいけない、という思いが強くなりました」。

ドラマの影響も

希少な建築物を実際に学んでいる現役の女子学生が案内してくれるという、ユニークな企画は好評です。ヴォーリズ建築の根強いファンに加えて、2015~16年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の影響も大きいそう。
「最近ではテレビで初めてヴォーリズさんを知ったという方も多いです」。
ドラマではわずかの登場でしたが、ヒロインのモデルとなった広岡浅子の長女と結婚したのが満喜子の実兄。浅子はヴォーリズの才能を早くからかっていました。
「特にご年配の方は建築に詳しい方が多く、専門的な質問をされたり、逆に教えていただくこともたくさんあります」。
まちたび企画では、中庭の噴水で飼育している〝西宮のDNAを持つメダカ〟を紹介するなど「西宮を強調」する工夫も忘れてはいません。

参加者に合わせたガイドを

ガイドを始めた当初は「必ず伝えなくてはいけないことを言い忘れたり、ペースが早い、と言われたり未熟な部分もありましたが、徐々に参加されている方に合わせて話す中身を変えることもできるようになりました」。美術館や科学館へ行きプロのガイドのやり方を学ぶなど、自身で努力も重ねてきました。
大学院2回生の松川さんは来春、卒業します。後輩たちには「多少の使い勝手の悪さはもちろんありますが、それを吹き飛ばしてしまうほど素晴らしい建物です。それに誇りをもって笑顔で一生懸命伝えてほしいですね」とエールを送ります。

学校法人 神戸女学院

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