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Machitabi Voices 06

白鷹禄水苑総合プロデューサー
辰馬朱満子(すみこ)さん

酒と文化のマリアージュ

 文久2(1862)年創業の白鷹酒造。当時の造り酒屋の住居をイメージして、2001年に建てられたのが「白鷹禄水苑」です。ホッと落ち着くような空間には白鷹ブランドの日本酒が並ぶショップだけではなく茶室やバー、江戸~昭和期の生活を伝える「暮らしの展示室」などを併設。2階にある多目的スペース「宮水ホール」では、さまざまなイベントが催され、まちたびでも文楽を観賞する「酒屋万来文楽」、能楽師が着座のまま謡と囃子を演じる「酒都で聴く居囃子の会」と題した企画で参加・協力をしてきました。

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酒にまつわる多彩な企画

総合プロデューサーの辰馬朱満子さんは、「西宮は人形浄瑠璃の源流といわれる傀儡師発祥の地をいわれ、伝統芸能に関わる多くの方々も在住されている、芸能にゆかりの深い街です。
 地元在住の芸能者の方々のご協力のもと、この場所で能や文楽などの伝統芸能の
イベントを開催することにより、西宮のもう一つのアイデンティティーである『酒』も同時に内外に発信できるのではないかと思い、企画いたしました」。
 朱満子さんは、「白鷹禄水苑」を創設した四代目蔵元、故辰馬寛男さんの長女。戦前までこの地にあった蔵元の住居を再現するべく、全国の民家から古材を集めて建てた寛男さんのこだわり、遺志を受け継ぎ、さらに具体化・発展させようと、酒と料理、文化を融合させた多彩な企画を実施しています。
 「辛口の男酒である灘の酒は、コクがあって飲みごたえ抜群。日本料理だけなくどんな料理も美味しく召し上がれます。信頼するシェフらの方々の協力を得まして今年も『スペイン料理と辛口日本酒を楽しむ会』や『日本酒カクテルの会』などを手掛けました」。

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道成寺を軸に

今秋の「第九回酒屋万来文楽」(10月20日)、「第十回酒都で聴く居囃子の会」(11月12日)では、禄水苑15周年を記念して共に「道成寺」を題材にした演目を上演します。
 能の大曲「道成寺」は文楽、歌舞伎でも時代を越えて人気の演目。「酒屋万来文楽」では、「日高川入相花王渡し場の段」と「白拍子の舞」を、「居囃子の会」は旭堂南陵さんによる講談「安珍清姫物語」も。
 15周年の今年はいわば〝道成寺イヤー〟。プレ公演として「能楽小鼓とヴァイオリンで紡ぐ『葵上』」(9月4日)も開催します。通常の劇場と違い、演者と客席の距離がぐっと近く名人芸が間近に迫る宮水ホールならではのライブ感に酔いしれることでしょう。いずれも終演後には恒例の「ほろ酔い談義」が予定されています。出演者を囲み、盃を片手に語り合う、こちらも禄水苑ならではの貴重な機会です。

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地域と共に

「私どもに限らず造り酒屋は、昔から地域の文化を応援するという立場で取り組んできています。父もそんな気持ちでここを建てたのだと思います。伝統芸能というと敷居が高いと思われがちですが、能も文楽も『今に生きる』芸能です。若い能楽師の方も芸を受けつぎ磨いておられ、未来へつながっていくのだなぁと感じますね」。
西宮が誇る二つの宝「酒」と「芸能」を、発信し続けます。

白鷹禄水苑

〒662-0926 西宮市鞍掛町5-1  阪神西宮駅南出口より南へ徒歩7分
TEL:0798-39-0235  FAX:0798-39-0236